平屋の魅力を再発見
近年、平屋の注文住宅を選ぶ人が増えています。かつては主にシニア世代に人気だった平屋ですが、現在は若い世代や子育て世代にも支持が広がっています。平屋が人気を集めている理由には、以下のようなものがあります。
- 階段がなく移動が容易
- 家族間のコミュニケーションが取りやすい
- 地震の揺れに強い
- おしゃれで個性的なデザインが可能
特に、「階段がない」というメリットは、全世代に共通する魅力です。高齢者だけでなく、小さな子どもがいるご家庭でも安全面で安心できます。また、平屋は全ての部屋が同じフロアにあるため、家族の存在を感じやすく、自然とコミュニケーションが増えるという特徴があります。
さらに、現代の平屋は昔のイメージとは異なり、デザイン性や機能性が大幅に向上しています。開放的な空間設計や自然との調和を重視した外観など、個性的でおしゃれな住まいを実現できることも、若い世代に支持される理由の一つです。
平屋の特徴やメリットは?
屋根の形状に合わせて空間を最大限に活かせる
住宅における天井の高さは建築基準法施行令第21条により、「居室の天井の高さは2.1m以上でなければならない」と定められています。一般的な天井の高さは2.4~2.5mとされていますが、これを超える高さを確保することで、より開放的な空間を実現できます。
二階建ての住宅では天井の高さに制約されがちですが、平屋は二階部分がないため天井の高さを自由に設定できます。屋根の形状に合わせて外観デザインの自由度も高まり、空間を最大限に活かすことができます。例えば、「スキップフロア」や「屋根裏」を取り入れた遊び心のある間取りを作ることもできます。部屋が暗いと感じる場合には、天井の高い位置に小窓を設けることで採光を確保することもできます。
メンテナンス費用や光熱費が抑えられる
平屋は、二階建てに比べて修繕面積が少ないことが多く、コストを抑えやすい傾向にあります。例えば、外壁や屋根のメンテナンスでは、二階建てのように大掛かりな足場を組む必要がありません。また、給排水管もワンフロア内でまとまっているため、一階部分のメンテナンスで済みます。大きな屋根に太陽光発電システムを導入すれば、電気代の節約にもつながるでしょう。
地震の揺れや風に強い
建物は、高さが増すほど地震の際に振動の影響を受けやすくなります。例えば、タワーマンションでは一階よりも最上階の方が揺れが大きくなることを想像するとわかりやすいでしょう。この観点から、二階建てよりも一階建ての平屋のほうが地震の振動の影響を受けにくいといえます。
また、平屋は上からの荷重が少ないため、構造が安定しやすく耐震性が高まるのも特徴です。二階建てに比べて建物自体が低く面積が広いため、風の影響も受けにくいでしょう。台風の通り道となる沖縄地方で、寄棟作りの平屋が多いのも、平屋が風に強いことを示しています。